さて、先週末はフラッシャーのクロムツからアカムツ。
中深場の釣りは面白い
だけど昔は今よりも格段にワクワクして、面白かったのだ
20年ほど前に、会社関係の方から誘われて教えてもらった、中深場の釣り。
最初はタックルから仕掛けから全て用意してもらって、「クーラーは大きいのを持って来て下さい」と言われて、勝浦の串浜港の船に乗った。
今その船は廃業してしまっている。
本当に小さな船だと思った。
多分漁に使っているんだろう。
遊漁もやるから、釣り座を後から組み込んだという船。
こんなので、大丈夫かと思った。
しかし、今乗っている、外房から中深場で釣りする船は、ほとんど似たようなタイプの船だったりする。
で、何を釣っていたのかと言うと「キンメ」である。
朝のうち....と言っても..まだ暗いうちに15本とか20本の針を巻いた地具から「パラパラ」と投入する。
もともと器用なので、最初から問題なく投入出来たのを覚えている。
当時は普通にキンメを遊漁船で釣っていた。
問題があったのかどうかは良く分からないが、結構普通にキンメを釣りに行く....という感じであった。
今はダメですね。
外房ではキンメ船なる遊漁船はありません。
遊漁じゃダメなんだよ…
と船長から言われたことがあります。
資源確保の観点からそういうことになっているのでしょうが、法的な根拠について確認したことはありません。
インターネット等で調べると、職漁でさえかなり厳しい漁場、操業時間等の規制を受けているようです。
特に勝浦沖の漁場は結構厳しそうだ
「勝浦沖キンメダイ漁場における漁業自主管理」ということのようだ。
こうゆう自主管理の中で遊漁船によるキンメダイ釣りは当然規制されてしかるべきだと考える。
確かにタックルの進化に伴い、誰でも簡単に200mを超える深海からキンメダイをはじめとする貴重な魚を釣り上げることができる。
いとも簡単に・・・
まああまり難しいことはわからないが、釣りが好きな僕にとってはただ単純に悲しいことなのだが。
そして今、勝浦近辺でキンメダイを釣る事はほとんどできなくなっている。
そういう中で、ムツ釣りということで出船する中で
良い外道」という名でキンメを多少なりとも釣らせてもらうことがある。
まあ、それを専門に釣るわけではなく、キンメの主たる漁場に入らない形で釣る事が出来る船もあるわけだ。
かといってそういう遊漁船の船長に「キンメが釣りたい」
と言えば
「キンメは釣っちゃダメなんだよ」とちゃんと言われる。
あくまでもムツやメダイの外道として小型のキンメがかかってくるというスタンスだと勝手に思っている。
外房の船の釣果を見ていると
良い外道」「赤い外道」等と書いてあるのはキンメ
本当になつかしい。
15本針にヅラヅラとキンメが上がってくる。
底ダチをとって、「クンクン」とあたりがあって、船長が延ばせ延ばせ(糸を出せ)という。
我慢しきれなくなって、リールの巻き上げスイッチを押す。
延ばし切ったラインが底をきって、竿にテンションがかかると同時により一層の魚からの魚信が伝わる。
「何がどのくらいかかってるのだろう」
200mを超える深海からミヤマエのリールのカウンターがだんだんと海面に近づいてくることを伝えるが・・
その間のワクワク感はたまらない。
10mを切って手巻きに変えて・・・仕掛けが上がってくると同時に、海の中から真紅の魚の影が見えてくる。
帰りにクーラーの中は赤い魚でいっぱいであった。
本当に懐かしい、勝浦のキンメ釣りの思い出である。
先日、会社の先輩が南伊豆からキンメ釣りに出かけて60匹のキンメを釣ってきたと聞いた。
釣り場を替えれば今でも同じような釣りはできるようだ。
次回行くときにはぜひ誘って・・・と頼んだが
僕に中深場の釣りを教えてくれた取引先の方は数年前に亡くなった。
今でも僕は同じ勝浦近辺から中深場の釣りに出かけている。
キンメ主体はできなくなったが、ムツ・オニカサゴで出船する。
そして今でもあの頃と同じような小さな船が主体だ。
キンメは釣れなくなったし、ムツの数も出なくなった・・・「魚のいる根」を攻める船長がいなくなったのかもしれない。
攻めちゃいけないのかもしれない。
それでもやっぱり中深場の釣りは楽しい。
来週も出かける予定にしている。